近年、日本の「おもてなし」を前面に押し出していこうという風潮がありますが、
そこにはちょっと違う扱い方ができると思います。
今までのおもてなしの定義は、「お金にはならないけれども、人に対して懇切丁寧に礼を尽くせる姿勢」みたいなものです。
基本的にサービスのクオリティが高いので、「外国の皆さん、安心して日本に遊びに来てたくさんお金を使ってください」ということを言いたいわけですが、
「お金にならないけれども」というのが、かなりもったいない点です。
サービスの質を担保にしたPRをするより、おもてなせる心に価値をつけて交換する方がシンプルに良いと思います。
それには元々暗号化された台帳技術であるブロックチェーンを活用したトークンが非常に向いています。
とはいえ、日本全国で足並みを揃えて一気におもてなしトークンを流通させることは難しすぎるので、
地方の小さな地域から始めてみればいいのです。
日本円での収入に加えて、トークンでも価値の交換、つまり買い物ができれば実質的に所得が上がることになります。
政治家の皆さんは、賃上げや減税を声高に仰られますが、道はそれだけではないはずです。
そして残念なことに日本のおもてなしの姿勢を外国人旅行者にアピールしても、必ずしもそれが好意的に受け止められるとは限りません。
日本人が南米を旅して、口で醸した酒を良かれと思って振る舞われて困惑するなんていう類の話です。
だからこそ、おもてなしのありがたみを知っている日本に住む人同士でトークンを流通させればいいのです。
僕は今、山形県鶴岡市の黒川地区でこの取り組みを始めています。
結構おもしろいことになると思っています。
日本には資源がないと言われてきました。
確かに化石燃料などは採れません、しかし世界的に稀有な繊細な文化があります。
だからこそ数多くの伝統芸能や芸術が生まれてきました。
独特な自然観や人間関係、それこそが資源です。
もう日本が世界でお金を稼げないのですから、なおさらその資源を活用した方が得です。
なぜなら元手は不要、ただ自ら歴史を顧みればいいからです。